便秘を引き起こしてしまう病気

慢性便秘には内臓には病気はないものの、生活習慣やストレスなどが関与して起きる機能性便秘と何らかの病気が原因や薬剤によっておこる二次性便秘に分けられます。
今回は病気が原因で起きる症候性便秘のお話。
1)腸の腫瘍性病変(大腸がんなど):腫瘍の増大により腸の内腔が狭くなる
2)炎症性疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎):クローン病は炎症を繰り返すことで次第に腸がひきつれて狭くなる原因は
3)痔核 痔瘻 :排便時の痛みで排便が怖くなり我慢することが重なり次第に便秘になっていく 
4)手術や外傷後の癒着:人間は一度おなかを開けると程度の差はあるが必ず腸管同士や腸管と腹膜(お腹の壁)がひっつきますこのため癒着の程度により腸が締め付けられたり、動かなくなったりして通過障害が起きることもあります

他にも原因はありますが直接的な原因によるものを器質的便秘といいます。
慢性便秘症の中で特に注意しなければいけないのは器質性便秘のをいかにして除外するかということですが、確定診断をつけるには大腸カメラが最も優れています。かといって便秘の患者さん全員に行うのは不可能です。
 
発熱・体重減少がある。排便習慣の急激な変化が最近見られること。排便時の出血。大腸がんの家族歴。50歳以上でる。などの条件にあてはまればアラームサインといって重大な器質性病変を疑う兆候であり積極的に検査を勧めます。

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