便秘をおこしやすい薬

前回は便秘をおこす病気を紹介しましたが、今回は様々な薬によっても便秘がおきることを書いてみます。
(1)抗コリン薬
コリンとはアセチルコリンのことであり、神経と神経の橋渡し的な役割をもち体の様々な臓器に影響を及ぼします。
アセチルコリンは体をリラックスさせる自律神経(副交感神経)を刺激します。
抗コリン作用とは副交感神経の働きを抑えることで、全身の臓器に影響がでます。
口が乾く、便が出にくい、尿が出にくい、目のかすみ、眠気などが主な症状です。
抗コリン作用を調整して治療目的にした薬のことを抗コリン剤とよびます
治療目的により色々な種類があります
①腹痛治療薬:ブスコパン、スコポラミンなどは腸管の痙攣を抑え腹痛のときに使います
②気管支吸入薬:スピリーバ、アトロペントなど気管支を拡張させる効果があり喘息やCOPDに使います。
③頻尿改善薬:ベシケア、デトルシトール。トビエース、バップフォーなど膀胱の平滑筋の緊張をとり尿がたまりやすくなります
④抗アレルギー薬:第一世代のポララミン、レスタミンなど抗ヒスタミン薬は市販の風邪薬(鼻に効く)などに入っていることもあります。
治療薬としてはどれも有用ですが、副作用として抗コリン作用があり、知らずに知らずに便秘の原因になりえます。

(2)副作用で抗コリン作用があるもの
抗コリン剤は副交感神経を抑制することで、腹痛の緩和や呼吸器疾患 泌尿器疾患など多方面で治療薬として使われていますが、薬の副作用として抗コリン作用をもつものがあります。
①抗うつ薬(特に三環系抗うつ薬)には抗コリン作用が強いものがあり便秘 口渇 排尿障害を起こすものがあります。トリプタノール アナフラニール など
②抗パーキンソン薬:パーキンソン病は便秘がほぼ必発ですが、治療薬の副作用でも便秘を伴います。
(3)オピオイド
強力な鎮痛剤として使われるもので麻薬性ではモルヒネが代表的なもので、手術後やがん患者の鎮痛などに使われます。最近では非麻薬性の痛み止めもあり、日常臨床でもよく使われています。これらは消化液の分泌を抑制したり腸管の蠕動運動を抑制します。
①麻薬性:モルヒネ フェンタニルなど
②非麻薬性:トラマドール レペタン ペンタジンなど

(4)その他
循環器疾患で使われるカルシウム拮抗薬
利尿薬
抗がん剤
制酸薬
など様々な薬で便秘の副作用があり、思わぬ薬で便秘になっていることもあります。

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