便秘症の診断

これまでは便秘になりやすい生活習慣や原因となる病気や薬剤について書いてきましたが今回は診断の流れについて書いてみます。
初診の便秘症状の患者さんが来られたら、次の一連の流れで診察していきます。
問診で便秘の細かな症状を尋ねます。例えば、排便回数 便の硬さ 残便感 腹部の張り 腹痛の有無 排便するのに気張ったり、指でかきだすなどの困難があるか 排便にどのくらい時間がかかるか 下剤の使用の有無やその効果などを聞かせてもらいます。これで便秘のタイプの大まかな種類分けをします。
次に生活習慣を問診します 生活リズムの乱れがあるか 排便習慣について 食事の偏りの有無 運動習慣の期間や程度 ストレスの有無など。薬以外での改善点を探ります。
また現在何らかの持病があるか、服用しているお薬について詳しくお聞きします。過去の病気や手術の既往をうかがいます。ご本人もわすれていることがあるので(これすごく大事)
便秘診療で特に気を使うことは大腸がんなどの重大な病気が隠れてないかということです。腸の重大な病気を疑うサインとして1)予期せぬ体重減少2)排便習慣の急激な変化3)血便4)腹部腫瘤5)発熱6)50歳以上での初発7)大腸がんの既往歴、家族歴などがあります。
問診でこれらのことを聞いた上で次の身体診察や検査の方向性を決めていきます。

 

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