便秘の治療

前回は便秘の診断について書きましたが、今回からは慢性便秘の治療について書いていきます。
宣伝用のコマーシャルで毎日 スッキリなどの謳い文句で毎日排便しないといけないと思っている方がかなりいます。毎日スッキリ出るのが理想的ですが、何も毎日出なくても排便には個人差があり毎日出る人もいれば2-3日おきに出る人もいるので、個人のサイクルにあっていれば問題ありません。大体3日以内であれば正常範囲と言われています。
排便の質も非常に大事であり、定期的にでていても硬いコロコロの便を気張って出したり、泥状便、水様便を何度も排便したり、出ても残便感があっては不十分であり、便の形状の正常化を目指します。理想的なのはバナナ状の形、硬さ、量がよいでしょう。

余談ですが哺乳類の排便時間はほとんど変わらず平均12秒だそうです。これは排便という無防備の状態を可能な限り減らすことで生存競争を生き抜くための習慣と言われています。人も例外ではなく健常成人の平均排便時間は1分以内とされています。

便秘治療では最終目標は「正常便を」「スッキリ」「速やかに」を目指します。
治療には今更ですが、非薬物療法と薬物療法があり、次回から具体的な治療法を書いていこうと思います。

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