便秘の治療 非薬物療法

便秘を予防したり改善を試みるには、運動療法 食事療法 薬療法が治療の柱となります。
今回は運動について書いてみます。
身体活動の低下は便秘の発症と増悪に関与することがアメリカでの調査研究により示されており、
老人では1日に500m以上歩く人に比べて、歩かない人では便秘のリスクが増加したというデータもあります。
運動といっても特別なことではなくウオーキングや軽いランニングなどの有酸素運動が有効です。
できれば体をねじる動作も加えれば腸を刺激して自律神経のバランスを整えるとされています。
激しい運動は高齢の方ではかえって心肺や関節などに負担がかかり別のところに障害を生じることがあるので無理や過信は禁物です。
では何をどれぐらいすれば良いかというと。便秘の予防に関しては明確な基準はありません。個人の体力 健康状態 時間に合わせて無理のない範囲ですることが妥当ですが、これでは芸がないので生活習慣病を予防するための運動指標がありますので、これに準じてみてはいかがでしょうか。

運動や身体活動の強度を示す指標として「メッツ」と言います。
何もしてない時(安静時)を1メッツとして、その何倍のエネルギーを消費するかで運動強度を数値化したものです。

「メッツ・時」とは運動強度の指標に時間をかけたもので、カロリー消費量を表します。
1メッツの状態を1時間続けると体重1kgあたり1kcal消費します。
例えば70kgの体重の人では1時間当たり70kcal 60kgの人では60kcalといった具合です。

厚労省の指針では3メッツ以上の運動・身体活動で「23メッツ・時/週」がすすめられています。
1時間あたり3メッツ以上の強度で合計して1週間で23メッツがおすすめとのことです。
例えば1日3.5メッツの運動なら7日で24.5メッツになります。
日本人は15-20メッツ・時/週が平均だそうで全体的に少なめです。(私も含め)

長くなるのでメッツの具体例は次項にまとめて掲載しました。

 

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