胆汁酸トランスポーター阻害薬
- 2024/01/03
- 便秘の話
胆汁は肝臓で生成され胆のうに貯留して濃縮されて、食事の刺激を受けて胆のうが収縮して胆管を通り十二指腸に放出されます。そして小腸末端で吸収されて肝臓にもどっていきます。胆汁に含まれる胆汁酸には脂肪の吸収を助けるほかに、大腸からの水分分泌を促して便を軟らかくすることと、蠕動運動を促進する効果があります。胆汁酸の再吸収を阻害して、大腸に流してやることを目的に作られたのが胆汁酸トランスポーター阻害薬 エロビキシバット(グーフィス)です。(別にエロい薬ではありません)
特徴と注意点 1)服用は食前が好ましい:胆のうは食事で収縮して胆汁を放出すので、食前に服用し胆汁を迎える準備が必要
2)効果の発現:早い人では服用後2-3時間で便意を催すこともあり、平均で5-6時間 この便意は人によってはいきなり来るので要注意ですが、排便の時間がわかればそれに合わせて服用することもでき計算しやすいとも言えます。
3)腹痛:飲み始めのころは腸管の蠕動が刺激になり、キューっとした痛みが出ることがありますが、蠕動による痛みなので自制内のことが多く、1-2週間で気にならなくなります。
効果にはムラがあり軽症の便秘の方には効きすぎることがあるので中等症以上の方から使っています。グーフィスは当院でも割と使っており、実際良く効く印象をもっていますが全ての便秘に効くわけではありませんコロコロした硬い便や腸の動きが悪いため排便回数の少ない方に向いていると思います。またグーフィス単独で効きが良くなければ、他剤との併用で効果があることも多い薬です。
比較的新しい薬なのでこれからの知見が期待されます。